お口の中を常に清潔に保つという観点からは、毎食後の歯磨きが理想的です。
しかし、回数以上に「磨き残しなく、しっかりと汚れを落とせているか」という質が重要になります。
もし毎食後の歯磨きが難しい場合は、例えば一日一回就寝前などに時間をかけ、デンタルフロスや歯間ブラシも併用しながら丁寧なケアを実践することを心がけましょう。

はい、ぜひ毎日の習慣にしていただくことを強くおすすめします。
歯ブラシの毛先が届くのは、歯全体の表面積の約6割程度と言われており特に歯と歯の間には汚れが残りやすいのです。
虫歯や歯周病の多くは、実はこの歯と歯の間から始まります。
日々のブラッシングに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシを正しく使用することでお口のトラブルを効果的に予防するレベルが格段に向上します。

患者様一人ひとりのお口の状態や虫歯・歯周病へのなりやすさ（リスク）、生活習慣などによって推奨される頻度は異なります。
一般的には、3ヶ月から半年に1回の定期的な検診とプロフェッショナルクリーニングをおすすめしています。
喫煙習慣のある方や歯周病が進行しやすい方、あるいはご自身でのセルフケアに不安がある方は1～2ヶ月に1回のクリーニングによって、より良好な状態を維持できる場合もあります。
担当の歯科医師または歯科衛生士が、皆様のお口の状態を拝見した上で適切な受診間隔をご提案いたします。

虫歯のなりやすさには、いくつかの要因が複合的に関わっています。
例えば、糖分を多く含む間食の頻度が高い方、唾液の分泌量が少なくお口が乾燥しやすい（ドライマウス）傾向のある方、あるいは歯並びが複雑でどうしても磨き残しが多くなってしまう方などは虫歯菌が活発になりやすく、リスクが高いと言えます。
これらの要因は、生活習慣の見直しや歯科医院での専門的なケア（フッ素塗布やクリーニングなど）によって、ある程度コントロールすることが可能です。

はい、治療後に一時的に歯がしみたり、軽い痛みを感じたりすることは特に虫歯が深かった場合に起こり得ます。
これは、歯を削った刺激によって歯の神経が一時的に過敏になっている状態です。
多くの場合、この症状は時間の経過と共に自然に落ち着いていきます。
しかし、痛みがなかなか引かない、あるいは以前より強くなるような場合は他の原因も考えられますので、決して我慢せず遠慮なく担当の歯科医師にご相談ください。

いいえ、治療中に痛みを感じることはほとんどありませんのでご安心ください。
根管治療を行う際は、処置を始める前に必ず局所麻酔を十分な時間かけて、しっかりと効かせます。 麻酔が効いていることを確認してから治療を開始しますので、痛みを感じることなくリラックスして治療を受けていただけます。

はい、その可能性はあります。
歯周病は歯周病菌という細菌による感染症ですので、唾液を介して人から人へと感染（伝播）することがあります。
特に、ご家族間での食器（スプーンや箸など）の共有やペットボトル飲料の回し飲みといった行為は、感染のリスクを高める可能性がありますので注意が必要です。

一般的に、女性はホルモンバランスの影響を受けやすいため男性と比較して歯周病のリスクが高まる時期があると言われています。
特に、女性ホルモンの分泌が大きく変動する思春期や妊娠中、そして更年期などは特定の種類の歯周病菌が増殖しやすく、歯茎の炎症が悪化しやすい傾向にあります。
これらのライフステージにおいては、通常以上に丁寧なセルフケアと歯科医院での専門的なチェック＆ケアが重要になります。

はい、それは医学的にも証明されている事実です。
タバコに含まれるニコチンなどの有害物質は、歯茎の毛細血管を収縮させ血行を悪化させます。
これにより、歯茎への酸素や栄養の供給が滞り組織の修復能力や免疫力が低下します。
その結果、歯周病菌が繁殖しやすくなるだけでなく炎症が起きても歯茎からの出血といった初期症状が現れにくくなるため、ご自身が歯周病であることに気づかないまま重症化させてしまうケースが少なくありません。
統計的にも、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病になるリスクが数倍高まると言われています。

赤ちゃんに最初の乳歯が生え始めた、その時点からスタートしましょう。
初めはお口の中に物を入れられること自体を嫌がる場合が多いので、まずは清潔な指に湿らせたガーゼを巻き歯の表面を優しく拭うことから慣らしていくのが良いでしょう。
少しずつ柔らかい毛の乳児用歯ブラシに移行し、保護者の方がそばで見守りながら歯磨きを「楽しい習慣」として、毎日の生活の中に自然に取り入れていくことが大切です。

いいえ、それは大きな間違いです。
乳歯の虫歯も必ず治療が必要です。
乳歯には、後から生えてくる永久歯が正しい位置に萌出するためのスペースを確保するという非常に重要な役割があります。
乳歯の虫歯を放置し、予定よりも早く抜けてしまうとそのスペースに隣の歯が倒れ込んできて、将来の永久歯の歯並びが悪くなる大きな原因となります。
また、乳歯の虫歯菌が後から生えてくる永久歯に感染したり、痛みによって食事が偏り顎の正常な発育が妨げられたりすることもあります。
乳歯の健康を守ることは、お子様の健やかな未来への大切な投資なのです。

基本的には、心配ありません。
乳歯の根っこと、その下に控えている永久歯の芽（歯胚）はそれぞれ独立した組織です。
そのため、乳歯の虫歯が進行しやむを得ず神経を取り除く治療（根管治療）を行ったとしても、それが直接後から生えてくる永久歯の質や形に悪影響を及ぼすことはありません。
むしろ重度の虫歯をそのまま放置してしまう方が、永久歯に悪影響を与えるリスクははるかに高まります。

親知らずの周囲で強い炎症（智歯周囲炎）が起きている場合、麻酔が効きにくかったり抜歯後に痛みが通常より強く出たりすることがあります。
そのため、まずは抗生物質などのお薬を服用していただき炎症をしっかりと抑えてから、後日改めて安全に抜歯を行うのが一般的な手順となります。
もちろんお口の状態や炎症の程度によっては、当日の抜歯も検討いたしますのでまずはご相談ください。

歯の根っこが通常よりも大きく湾曲していたり、骨と癒着（一体化）していたりする場合や歯が真横を向いて、顎の骨の中に完全に埋まっている（完全埋伏）場合などは歯をいくつかに分割して慎重に取り出す必要があるため、抜歯に時間がかかることがあります。
当院では、事前に歯科用CTによる精密な検査を行うことでこのような状況を正確に把握し、できるだけスムーズに、そして安全に抜歯を行えるよう計画を立てます。

はい、基本的にはお食事をとっていただくことは可能です。
ただし、抜歯当日はまだ麻酔が効いているためお口の感覚が鈍っています。
熱いもので火傷をしたり、誤って頬の内側を噛んでしまったりする危険性がありますので必ず麻酔の効果が完全に切れてから、お食事を再開するようにしてください。
また、傷口に負担をかけないよう抜歯当日は硬いものや香辛料などの刺激物は避け、おかゆやスープ、うどんなど柔らかく消化の良いものをおすすめします。

「クリーニング」は、歯の表面に付着した歯石や茶渋・タバコのヤニといった「外側からの着色汚れ（ステイン）」を、専用の器具や研磨剤を用いて物理的に除去し歯が本来持っている色を取り戻す処置です。
一方、「ホワイトニング」は専用の薬剤（過酸化水素や過酸化尿素）を歯に作用させ、歯の内部にある色素そのものを化学的に分解することで歯自体を「内側から白く、明るく」していく漂白処置です。

いいえ、虫歯や歯周病（歯肉炎・歯周炎）がある状態でホワイトニングを行うことはできません。
これらの症状がある場合、ホワイトニング剤がしみたり、強い痛みを引き起こしたりあるいは症状を悪化させたりする危険性があるためです。
ホワイトニングをご希望の場合、まずは歯科医師によるお口の中の診査を行い必要な治療（虫歯治療、歯周病治療など）をすべて完了させ、健康な状態になってから安全にホワイトニングに進むのが正しい手順です。

ホワイトニングを行った直後（特に24時間以内）は、歯の表面を保護している「ペリクル」という薄い膜が一時的に失われているため通常よりも飲食物の色素が付着しやすい、非常にデリケートな状態になっています。
この期間は、カレー、コーヒー、紅茶、赤ワイン、醤油、ケチャップといった色の濃い飲食物や喫煙は、できる限りお控えいただくことをおすすめします。

主な違いは、「見た目の美しさ（審美性）」、「体への影響（生体親和性）」、そして「耐久性と精度」にあります。
保険診療では、使用できる材料や製作工程に国の規定がありますが自由診療では、より天然歯に近い色調や質感を再現できるセラミックなどの高品質な材料を選択できます。
また、セラミックは金属を使用しないため金属アレルギーの心配がなく、精密に作製されるため歯との適合性が高く隙間からの二次的な虫歯（再発虫歯）のリスクも抑えることができます。

いいえ、そのようなことはありませんのでご安心ください。
虫歯治療などで歯を削り、型取りをしてから最終的な詰め物や被せ物が完成するまでの間（通常1～2週間程度）は、「仮歯」や「仮蓋」と呼ばれる一時的な修復物を装着します。
特に前歯など見た目が気になる部分には、日常生活に支障がないよう審美性にも配慮した仮歯をお作りしますので、治療期間中も普段通りにお過ごしいただけます。

装着後、歯と修復物を接着しているセメントが完全に硬化するまでには通常30分から1時間程度かかります。
その間は、念のためご飲食をお控えください。 また、ガムやキャラメル、お餅といった粘着性の高い食べ物はせっかく精密に装着した修復物が外れてしまう原因になることがありますので、できるだけ頻繁に召し上がるのは避けるようにしましょう。

手術中は、局所麻酔を十分に行いますので痛みを感じることはほとんどありません。
ご安心ください。
手術後に麻酔が切れてくると、個人差はありますが多少の痛みや腫れが出ることがあります。
その際は、処方いたします鎮痛剤を服用していただくことで十分にコントロールできる範囲のものです。

埋入するインプラントの本数や、骨造成術を同時に行ったかなど手術の規模にもよりますが、通常の一本程度の基本的なインプラント手術であれば翌日から普段通り、お仕事や通学をしていただくことが可能です。
ただし、身体への負担を考慮し手術当日は無理をせず、できるだけ安静にお過ごしいただくことをおすすめします。

手術当日は、血行が促進されるような行為、例えば長時間の入浴やサウナ、激しい運動、過度の飲酒などは出血や腫れの原因となる可能性があるためお控えください。
また、傷口の治りを妨げないよう手術した部分を強く歯ブラシで磨いたり、指や舌で頻繁に触ったりしないように注意しましょう。
うがいも、強く行うのではなく優しくゆすぐ程度にしてください。

歯が移動する過程で、歯が浮いたような感覚や締め付けられるような鈍い痛み、あるいは噛んだ時の違和感などを感じることがあります。
特に、矯正装置（ワイヤーやマウスピース）を調整したり、新しいものに交換したりした直後の数日間が症状が出やすい時期です。
これは、歯が計画通りに動いている証拠でもあり多くの場合、時間の経過と共に徐々に和らいでいきます。

はい、非常に重要なことがあります。
矯正治療によって動かされた歯は、何もしないと元の位置に戻ろうとする性質があります。
これを「後戻り」と言います。
この後戻りを防ぎ、きれいに整った歯並びを安定させるために「保定装置（リテーナー）」と呼ばれる装置を、歯科医師の指示通りに一定期間きちんと装着し続けることが、治療結果を維持するために絶対に不可欠です。

はい、基本的には可能です。
ただし、ご自身の天然の歯と差し歯（人工の歯）とでは、骨の中での動き方が異なる場合があるためより慎重な治療計画の立案が必要となります。
また、矯正治療によって歯並びや噛み合わせが変わるため治療後に、新しい噛み合わせに合わせて差し歯を作り直す（再製作する）必要が出てくる可能性が高いです。

保険適用の入れ歯は、使用できる材料や製作方法に国によって定められたルール（制約）があります。
そのため、失われた機能を回復するという点では十分ですが装着時の快適性や見た目の自然さ（審美性）には、どうしても限界があります。
一方、自由診療の入れ歯は材料や設計に制限がないためより薄くて違和感の少ないもの、金属のバネが見えない審美的なもの、よりしっかりと安定して噛めるものなど患者様のご希望やお口の状態に合わせた、精密なオーダーメイドの入れ歯を作製することが可能です。

入れ歯そのものは人工物ですので、形が変わることはありません（経年的な摩耗は起こります）。
しかし、その入れ歯を支えている患者様ご自身の歯茎や顎の骨は加齢や噛む力の変化などによって、少しずつ変化（痩せていく）していきます。
そのため最初はぴったりと合っていた入れ歯であっても、時間と共にお口の中の変化に入れ歯が追いつけなくなり徐々にズレやガタつき、痛みなどが生じてきてしまうのです。
快適に入れ歯をお使いいただくためには、歯科医院での定期的なチェックと調整が欠かせません。

はい、もちろん喜んで対応させていただきます。 現在お使いの入れ歯に関して、どのような点でお困りか（「痛い」「緩くて外れやすい」「見た目が気になる」など）を詳しくお伺いしお口の状態と入れ歯そのものの状態をしっかりと確認させていただいた上で、可能な限りの適切な調整や修理を行います。
入れ歯の劣化が著しい場合や根本的な改善が必要な場合には、新しく作り直すことも含めていくつかの選択肢をご提案させていただきますのでまずはお気軽にご相談ください。