機能と美しさを調和させる審美歯科
「笑った時に奥歯の銀歯が見えてしまうのが気になる」「昔に治療した前歯の被せ物の色が、周囲の歯と合わなくなってきた」「歯の色や形、わずかな隙間など長年のコンプレックスを解消したい」
このような口元の審美性に関する、様々なお悩みやご希望をお持ちではありませんか。
審美治療とは、単に歯を白くしたり形を整えたりするだけではありません。
虫歯や歯周病といった病気を治し失われた歯の機能を、しっかりと回復させることはもちろんのこと、さらに歯の色や形、歯並びといった「美しさ」にも焦点を当て、患者様一人ひとりの理想とされる自信に満ちた笑顔を実現するための、総合的な歯科治療分野です。
当院が追求する「機能美」
当院の審美治療は、その場限りの表面的な美しさを追い求めるものではありません。
私たちが常に追求し、大切にしているのは美しさと機能が長期的に調和し続ける「機能美」です。
機能美の三つの要素
- 見た目がまるでご自身の天然歯のように、自然で美しいこと
- 食事が何の違和感もなく、しっかりと快適に噛めること
- その健康で美しい状態が5年後、10年後も安定して維持されること
この三つの要素が高いレベルで揃って初めて、患者様は心からの笑顔と健やかで快適な毎日を、真に取り戻すことができると私たちは確信しています。
機能性の重視
- 美しさだけではない「噛める」ことへのこだわり
- どれほど見た目が白く美しい被せ物を作製したとしても、上下の歯との噛み合わせがミリ単位以下の精度で、精密に調整されていなければ、それは決して「良い治療」とは言えません。
不適切な噛み合わせは、食事のたびに違和感をもたらすだけでなく特定の歯に過剰な力が集中し、被せ物そのものが欠けたり割れたりする原因となります。
さらに、顎の関節や、顎を動かす筋肉に不自然な負担をかけ顎関節症や、原因不明の頭痛・肩こりを引き起こすことさえあります。
私たち当院は、単に一本の歯の形を整えるだけでなくお口全体の噛み合わせのバランスを常に考慮し、長期的に安定して機能する精密な噛み合わせの調整を、審美治療において最も重要な要素の一つとして徹底的に追求します。
- 長期的な安定性の追求
- 審美治療は、治療が完了した瞬間がゴールではありません。
その治療した歯が5年後、10年後、あるいはそれ以上、再び虫歯になったり問題を起こしたりすることなく、健康で美しく機能し続けることこそが真の成功と言えます。
その長期的な安定性を実現するために、最も重要な要素の一つが作製された詰め物や被せ物と、土台となるご自身の歯とがミクロン単位の精度で、寸分の隙間もなくぴったりと適合していることです。
もし、そこにわずかでも隙間が存在すればその微細な隙間から唾液と共に細菌が侵入し、詰め物や被せ物の下で気づかないうちに虫歯が再発してしまうリスクが、格段に高まります。
メタルフリー治療
当院では、詰め物や被せ物を作製する際に可能な限り、金属材料を一切使用しない「メタルフリー治療」を基本的な選択肢として推奨しています。
これは、単に「銀歯は見た目が良くないから」という審美的な理由だけではありません。
患者様の身体全体の健康と、歯そのものの長期的な未来を真剣に考えた上での医学的な判断に基づいた選択です。
金属材料のデメリット
- 金属アレルギーという目に見えないリスク
- お口の中に入れた金属は、常に唾液に晒されており微量ながらも少しずつイオン化して溶け出し、体内に吸収されていきます。
これが長期間にわたって体内に蓄積されることで、ある日突然金属アレルギーを発症し、お口の中の粘膜の炎症だけでなく原因不明の手足の皮膚炎といった、全身的なアレルギー症状を引き起こす原因となることが近年、問題視されています。
セラミックなどの非金属材料を用いることは、このような金属アレルギーのリスクを根本から回避することに繋がります。
- 二次虫歯の高いリスク
- 金属は、歯質と化学的に接着させることができません。
そのため、修復物を装着する際にはセメントという合着材を用いて、いわば「隙間を埋める」形で固定しています。
しかし、このセメントは長い年月の間には、唾液によって少しずつ溶け出したり劣化したりしていきます。
その結果、金属と歯との間に微細な隙間が生じそこから虫歯の原因菌が内部に侵入して、詰め物や被せ物の下で気づかないうちに虫歯が再発してしまうリスクが、接着性の高いセラミック材料などと比較して高いと言われています。
- 歯や歯茎の審美性を損なう可能性
- 金属イオンが歯茎に溶け出して沈着すると、歯茎が黒ずんで見える「メタルタトゥー」と呼ばれる審美的な問題を引き起こすことがあります。
また、金属の色そのものが歯質を通して透けて見えたり、光を透過しないために歯全体が暗く不自然な印象に見えてしまったりすることもあります。
多様な審美修復の選択肢
当院では、患者様一人ひとりのお口の状態、お悩み、そして審美的なご希望に合わせて最適な結果を得るための、様々な審美修復の方法をご用意しています。
| 治療法 | 主な適応症例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 詰め物(インレー) | 比較的小さな虫歯を削った後の、部分的な修復 | 虫歯の部分だけを除去し失われた歯質を補う、歯の一部分を修復する方法 |
| 被せ物(クラウン) | 大きな虫歯、神経の治療後、歯の破折など歯の大部分を失った場合 | 歯全体を覆うように装着し、歯の形態、機能、強度を回復させる方法 |
| ラミネートベニア | 前歯の軽度な変色、形態異常、歯と歯のわずかな隙間の改善 | 歯の表面をごくわずかに削り、薄いセラミック製のシェルを貼り付ける。歯を削る量を最小限に抑えられる |
| ダイレクトボンディング | 小さな虫歯の修復、前歯のわずかな欠けや形態修正、歯と歯の隙間の閉鎖 | 歯の色に近い樹脂材料を、歯に直接盛り付けてその場で形を整えていく方法。多くの場合、1回の通院で治療が完了する |
審美修復に用いる主な材料
被せ物(クラウン)に使用する主な材料
オールセラミック(自由診療)
すべてがセラミックのみで作られた、最も審美性に優れた材料の一つです。
天然歯が持つ光の透過性や、複雑な色調、表面の質感を極めて忠実に再現することが可能です。
変色や、水分・汚れの吸収もほとんどなく長期的にその美しさを維持します。
金属を一切使用しないため、金属アレルギーの心配もありません。
ジルコニア(自由診療)
「人工ダイヤモンド」とも形容されるほど、非常に高い強度と靭性を持つ優れた素材です。
そのため、強い力がかかる奥歯の被せ物や複数の歯を連結するブリッジなど、従来は金属でしか対応できなかったようなケースにも安心して使用することができます。
近年では、ジルコニア自体の透明感も向上しており審美性も十分に高く、金属アレルギーの心配もありません。
ハイブリッドセラミック(自由診療)
セラミックの微粒子と歯科用の特殊な樹脂を、高密度に混ぜ合わせて作られた材料です。
オールセラミックには審美性や長期的な色の安定性では劣りますが、保険適用の樹脂と比較するとはるかに自然な白さと、高い耐久性を持ち合わせています。
また、セラミックよりも適度な柔らかさがあるため噛み合う相手の天然歯を傷つけにくいという特徴もあります。
私たちの譲れないこだわり
精密で長持ちする、そして何よりも患者様にご満足いただける審美修復物を製作するためには、その過程における一つひとつのステップでわずかな誤差も許されません。
拡大視野下で行う精密な「土台作り」
美しい建築物が、寸分の狂いもない精度の高い基礎工事から始まるように高品質な審美修復も、その土台となるご自身の歯をいかに精密に、そして丁寧に形成するかが、その後の修復物の適合精度、そして長期的な予後のすべてを決定すると言っても過言ではありません。
当院では、このステップを最も重視し担当する歯科医師が、マイクロスコープや歯科用ルーペを駆使し、常に術野を数倍から数十倍に拡大した状態で細心の注意を払いながら行います。
変形を最小限に抑える精密な「型採り」
精密に形成された土台の歯の形を、寸分違わず正確に模型上で再現し、それを歯科技工士に伝えるための「型採り」は適合精度の高い修復物を作る上で、極めて重要な工程です。
当院では、より寸法精度が高く経時的な変形が少なく、指紋のような微細な凹凸まで精密に再現することが可能なシリコン製の印象材を、症例に応じて適切に選択・使用することで可能な限り精度の高い歯型の採取を心がけています。
経験豊富な歯科技工士との緊密な連携
詰め物や被せ物を実際に製作するのは、歯科医師ではなく高度な専門技術を持つ、国家資格を有する専門家である「歯科技工士」です。 私たちは、長年にわたる経験と常に技術を追求する情熱を持つ、信頼できる歯科技工士と密接に連携を取りながら、修復物の製作を進めています。
ミリ単位以下の精密な「噛み合わせ調整」
完成した審美修復物を、歯に装着して治療は完了、ではありません。
装着後、私たちはお口全体の噛み合わせのバランスを注意深く確認しながら、咬合紙などを用いてミリ単位以下の、極めて精密な噛み合わせの調整を行います。
装着した直後だけでなく数日後、数週間後も、全く違和感なくご自身の歯と同じように、しっかりと快適に噛めるようになるまで、私たちは決して妥協いたしません。
よくあるご質問
主な違いは、「見た目の自然さ」、「体への優しさ」、そして「長期的な耐久性と適合精度」にあります。
セラミックは、天然歯と見分けがつかないほど自然な見た目を再現でき金属を使用しないため、金属アレルギーの心配がありません。
また、歯と化学的に強固に接着し精密に作製されるため、隙間からの二次的な虫歯のリスクも銀歯と比較して大幅に抑えることができます。
いいえ、そのようなことはありませんのでご安心ください。
歯を削って型取りをしてから、修復物が完成するまでの期間は「仮歯」や「仮蓋」と呼ばれる、プラスチック製の一時的な修復物を必ず装着します。
これにより、見た目が気になることも食事ができないということもなく、日常生活に支障なくお過ごしいただけます。
セラミックという材料自体は、非常に安定しておりお口の中で変色したり劣化したりすることは、ほとんどありません。
しかし、そのセラミック修復物が実際にどのくらい長く、問題なく機能し続けるかは土台となっているご自身の歯や、周囲の歯茎の状態、そして何よりも治療後の患者様ご自身による日々の丁寧なセルフケアや、歯科医院での定期的なプロフェッショナルメインテナンスを、いかに継続していただけるかによって大きく左右されます。
適切なケアを続けていただくことで、10年、15年、あるいはそれ以上にわたって長期的に安定した状態を維持することも十分に可能です。
機能と美しさが永く続く、自信に満ちた口元へ
審美治療は、単に見た目のコンプレックスを解消するだけでなく失われた機能を取り戻し、自信に満ちた輝く笑顔でこれからの人生をより豊かに過ごすための、素晴らしい選択肢の一つです。
私たち当院は、その場限りの一時的な美しさだけを追い求めるのではなく長期的なお口の健康と、機能的な噛み合わせにまで深く配慮した質の高い、そして責任ある審美治療を追求します。
もし、あなたが過去に治療した銀歯の見た目や、ご自身の歯の色、形などでお悩みでしたら、ぜひ一度私たちにお気軽にご相談ください。

